MOWのピスタチオ味がセブンイレブンから限定発売だと?!超速走りで買いに行く
- 2019.11.15
- 小ネタ集

ある朝のこと、
僕は携帯を握りしめ、
毛玉だらけのタートルネックに身を包み、超速走りで近所のセブンイレブンに向かっていた。
普段なら右に左に見渡す菓子パンコーナーを軽快に通り過ぎ、おにぎりコーナーさえも視界に入れず、新発売の「MOW ピスタチオ」だけを握りしめてレジに向かう。
たぶんその目は血走っていて、覚えているのはペイペ〜イと音がした瞬間だけだ。
いつもよりスローな早朝のセブンイレブンに「ペイペ〜イ」と音が響き渡る。その様子がなんだかとても穏やかだったことだけは覚えている。
ひんやりと冷たいMOWピスタチオが、袋の中でシャカシャカと揺れている。無事に手に入れられてよかった。
噂によると、MOW ピスタチオ味は「数量限定発売」で、もう在庫が無いお店も多いと聞いていたので、いささか心配だった。
ところがドスコイ、
熊本のセブンイレブンではほとんど騒がれるような様子もなく、普通に売られている。なんならあんまり売れてもなさそうだ。
みんな、もしかしたらピスタッチオの凄みが分かっていないのではないか、と逆に心配になってくるくらいだ。
あの、MOWが、アイス界の革命児モウが、ピスタッチオと出会う日がやってきたのだ。
こんなに喜ばしいニュースはないはずなのに。
MOWと言えば、濃厚アイスクリームとして知られている。
裏側を見れば一目瞭然だ。
そこには「アイスクリーム」の文字が煌々と輝いている。
これは厚生労働省が定めている、いわばアイスの濃さの度合いで、レベル順に上から「アイスクリーム」→「アイスミルク」→「ラクトアイス」→「氷菓」の4種類に分けられる。
最上級のアイスクリームクラスになると「ハーゲンダッツ」などの高級アイスクリームのレベルになってくる。そのお値段は300円クラスに跳ね上がってくるわけだが、MOWはたったの100円でこの最上級「アイスクリーム」のステージに突如のし上がってきた革命児だ。
さて、このピスタチオ味はというと、その下のランクである「アイスミルク」に属している。
おそらくピスタチオとミルクの配合に関しては、開発者の皆さんの途方もない回数の会議と、時にはピスタチオ派、従来のミルク派による激しい衝突も避けて通れなかったであろうことは想像に難くない。
森永乳業のその会議室の様子を妄想しただけでも何か熱いものが込み上げてきそうだ。そして、度重なる議論の結果、この割合に落ち着いたのであろう。
それが「アイスクリーム」であっても「アイスミルク」であっても、それはもうどっちでも良いのだ。ノーサイド。ノーサイドオブピスタチオ。
さて一旦、自らの乱れた呼吸を整え、スプーンの上に乗ったわずかなチリさえも吹き飛ばし、いざ1口目を味わってみる。
うまい。
いや、もう本当は「うまい」という言葉すらも出てこない。こういう時は大きく頷くしかできない。
文句の付けようがない。まさにピスタチオ味のMOWがここにある。
さらに食べ進めていくと、中がマーブル状になっているのが分かる。
そう、MOW本来のミルクな部分と、ピスタチオの香ばしいグリーンな部分が共存しているのである。
なるほど、これはよく考えられている。後味もすっきり爽やかだ。かと言ってピスタチオ本来のオイリーな風味や、後を引くような香ばしさも失われていない。
僕はピスタチオが大好きだ。
おそらく「ピスタチオ狩り」ができるような施設があれば、たとえ「いちご狩り」が隣にあったとしても、一切の迷いなくピスタチオの方を選ぶはずだ。
それくらい好きだ。ピスタチオ。
これはたったの187円(税込)で味わえる今年最後の幸せかもしれない。
みなさんもぜひ、セブンイレブンまで走ってみてはいかがだろうか。きっとまだ熊本には残っているはずだから。
そして今日もまた、
僕はセブンイレブンに立ち寄って帰りたいと思う。
MOWピスタチオを訪ねて。