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【徒然シリーズ】けんさむのちょっと小話「ランニング」

【徒然シリーズ】けんさむのちょっと小話「ランニング」

それは早朝7時、近所をランニングしていたときの出来事である。

ランニングも終盤に差し掛かり、今日も朝からナイスラン、なんて自分に酔いながら走っていたときのことだ。

 

 

私は50mほど前方に小走りと歩きを交互に繰り返している出勤中の女性らしき姿をとらえた。

「バスまでギリなんだろう。それともあの信号を是が非でも渡りたい何かが彼女にはあるのか?」

なんてどうでもいいことを考えていた。

 

 

もちろん走っている私のほうが速いので、すぐに女性の後ろまでやってきて、そのまま追い抜こうとしたのだが、そこから事件がはじまった。

 

 

歩きのステータスだったはずの女性が、タイミングよく小走りモードに切り替えてしまったのである。

そしてあろうことか綺麗に並走するかたちになってしまったのだ。

 

 

私はなぜこのタイミングで抜きにかかったのだろうかと自責の念にかられながらも、すぐに追い抜けるだろうとそのままのスピードをキープした。

ところが彼女のスピードが一向に落ちる気配がないのだ。

ずっと彼女は走っているのだ。先を急ぎながら。横で。

 

 

「歩きモードを忘れてしまったのかい?」

 

 

ここから先の選択肢はもちろん二通りしかない。

先方が折れるか、私が減速するかの二択だ。

 

 

想定していた信号を通り過ぎても彼女は横で走っている。

彼女の目的地は。彼女は一体なにものか。私は彼女の風よけか?

 

 

バッグ片手に先を急ぐ女性と、ランニング姿の私という異色のコラボRUNが完成したところで、自らの意に背く形で女性の顔をちら見してしまった。

 

 

 

 

工藤静香に似た女性だった。

 

 

 

 

私はランニングを終えた。 不本意ながらGOOD LUCKを思い浮かべた。